
イチョウも黄色に変わりながら目を楽しませてくれています。
木の下にいつまで佇んでいても見飽きないこの季節の木々の移ろいです。


しみじみと 踏み来し銀杏 落葉かな (稲畑 汀子)
今日は吉永小百合主演映画「北のカナリアたち」のご紹介です。


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北のカナリアたち
監督:坂本順治
出演:
吉永小百合、柴田恭兵、里見浩太朗、仲村トオル、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮アあおい、小池栄子、松田龍平
音楽:川井郁子

北海道の離島に降り立った小学校教師、川島はる(吉永小百合)。夫・行夫(柴田恭兵)と共に赴任してきた彼女が受け持つことになったのは6人の生徒たちだった。
彼らの歌の才能に気付いたはるは、合唱を通してその心を明るく照らしていく。
「先生が来るまで学校がつまらなかった」
そうこぼしていた子供たちの顔にも笑顔が溢れるようになる。そして大自然に響き渡るその歌声は、島の人々の心も優しく包み込んでいった。そんな時、心に傷を抱えた警察官・阿部(仲村トオル)が島へやってくる。人知れず悩みを持っていたはるは、陰のある阿部と自分を重ねるかのように心動かされていく。
ある夏の日、生徒たちと行ったバーベキューで、悲しい事故が一同を襲う。子供たちは心に深い傷を負い、はるは、心配する父(里見浩太朗)を一人置いて、追われるように島を出ることになる。しかし、島を離れた後も心に残るのは6人の生徒たちのことだった。
20年後、東京で図書館司書として暮らすはるに生徒の一人が起こした事件の知らせが届く。
「なぜ、あの子が……」真相を知るため、はるは6人の生徒たち(森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮アあおい、小池栄子、松田龍平)との再会を心に決め、北へ向かう。
久しぶりに再会した彼らの口から語られるのは、20年間言えずにいた想いだった。それぞれが抱えていた後悔が大きな傷となり、今も心に残っていることを知ったはる。そして自身もまた、心に閉じ込めていた想いを6人に明かすのだった。
明らかになる真実が止まっていた時間を氷解し、物語は感動のクライマックスへ動き出す。
観た日:2012年11月5日(月)

先週末から公開されたこの映画、月曜日レディースデイを利用し1000円にて各務原ワーナーマイカルで見てきました。


「あの青い空の様に」「カリンカ」「クリスマスイヴ」「夢の中へ」「この広い野原いっぱい」「うたをわすれたカナリア」
どれもが北海道の春から夏の利尻島、礼文島、そしてクリスマスと、歌われます。
この歌声がラストで6人の生徒たちが、警察を待たせた限られた時間の中で「かなりあ」を熱唱するシーン(歌唱では子供たちに比較はできない)で涙が出てきました。
隔てられ、誤解し合った心が一つになり、また明日へどんな自分でも「生きていていい」未来へ進む力になって行きます。

物語は、はる先生を中心に始まります。
寂しさや、空しさや、孤独から一身に耐えていたはるの心が、過去に人質を死なせたことで立ち直ることが出来ない元敏腕刑事の傷ついた警官(仲村トオル)の死を止めようとしながら惹かれて行ってしまいます。その様子が狭い村で目撃されていきます。
この二人のラブシーンは無い方が良かったと思いました。

そこまで、歌声や、景色や俳優の佇まいなどで情感や品格が作品を貫いて心に沁みていたものがこのシーンで途切れました。
川島はる先生(吉永小百合)と行夫(柴田恭兵)と父堀田久(里見浩太朗)の三人。
娘はるの不実を確認し責める父親の親心、静かに深い苦しみが画面に描かれます。幸せだといいはる行夫と言葉のないはる。行夫の心の闇も野良犬を見つめる目に沈み込んでいます。

狭い村のなかで生活をかかえて生きる子供たちの希望が、はる先生の歌声で広がると同時に子供達にも葛藤がおきます。自分らしく生きたいけれど一生懸命な大人たちに助けを求めることができない小さな胸の内、よりどころのはる先生の、警官との密会を許せない心。


大人になった子供達はそれぞれ、バラバラになりながら懸命に生きています。
鈴木信人(森山未來)はトビ職に就きながら必死で生きていますが人を愛するがゆえにその人の尊厳を守るために殺人を犯してしまいます。20年を経てはる先生に電話をし、島へ逃げてそこで待つことになります。

先生は子供達と順番にあい(真奈美・満島ひかりが先生と繋がっていました)それぞれの人生の氷を溶かしながら自身も心を開いていきます。
そしてラストシーンへと進みます。
子供役の6人の俳優はそれぞれ個性的で子供時代の子役の雰囲気が良く出ていて見事でした。

byニコちゃんでした。
